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採用活動における新たな武器としてのノベルティ
採用市場は今、大きな転換期を迎えています。
企業が優秀な人材を獲得するための競争は年々激化しており、従来の求人広告や説明会だけでは応募者の心を掴むことが難しくなっています。そんな中で注目されているのが、採用活動におけるノベルティの戦略的活用です。単なる記念品ではなく、企業の価値観や文化を体験として届ける重要なコミュニケーション手段として、ノベルティは採用ブランディングの核心的な役割を担い始めています。
会社説明会や採用面接の場で配布されるノベルティは、応募者にとって企業との最初の接点となることも少なくありません。パンフレットや名刺と違い、手に取られ、持ち帰られ、日常的に使われることで、企業名やブランドが自然と記憶に残ります。特に複数の企業を比較検討している応募者にとって、印象的なノベルティは企業を思い出すきっかけとなり、選考プロセスにおいて重要な差別化要素になります。

採用ノベルティがもたらす3つの効果
企業名の記憶定着と継続的なブランド露出
採用ノベルティの最も基本的な効果は、企業名を覚えてもらうことです。
企業名やロゴを入れたノベルティを配布することで、応募者に自社を印象づけることができます。特に合同説明会のように多数の企業が集まる場では、他社との差別化が重要になります。日常的に使える実用性の高いアイテムであれば、応募者が繰り返し目にすることで自然と企業名が記憶に定着していきます。ボールペンやノート、クリアファイルといった文具類は、就職活動中に頻繁に使われるため、企業との接点を継続的に作り出すことができます。
企業イメージの向上と好印象の形成
質の高いノベルティは、企業が働く人を大切にしている姿勢を伝えます。応募者に喜ばれる魅力的なアイテムを配布することで、企業に対する好感度が高まり、印象アップにつながることが期待できます。
競合他社にはない凝ったノベルティであれば、人材採用に力を入れていることを効果的にアピールできます。また、サステナビリティを意識した環境配慮型のアイテムや、デザイン性の高い品を選ぶことで、企業の価値観や姿勢を具体的に示すことができます。これは言葉で説明するよりも、はるかに強い印象を残します。
採用ブランディングの強化とコミュニケーションのきっかけ
ノベルティは単なる配布物ではなく、応募者とのコミュニケーションを生み出すツールです。初対面の学生と何を話せばよいか戸惑う採用担当者にとって、ノベルティは会話の橋渡し役となります。
「このノベルティは当社の環境への取り組みを表現しています」といった説明を加えることで、自然な形で企業理念や事業内容を伝えることができます。また、ノベルティに採用サイトのQRコードを記載することで、エントリーを促進する効果も期待できます。さらに、SNSで発信したくなるような魅力的なノベルティは、応募者の周囲にも企業の存在を広げる二次的な効果をもたらします。
応募者の心を掴むノベルティの選び方
実用性と日常使いを重視したアイテム選定
採用ノベルティで最も重要なのは、応募者が実際に使いたいと思えるかどうかです。
文具・事務用品は採用ノベルティの定番ですが、単なるボールペンではなく多機能ボールペンや、デザイン性の高いノートなど、機能性やデザインにこだわることで差別化を図れます。日用品では、トートバッグやエコバッグのように会社説明会の資料を入れて持ち帰りできるアイテムは利便性が高く、受け取ってもらいやすいという特徴があります。クリアボトルやタンブラーといった環境配慮型のアイテムも、若手人材の価値観に響きやすい選択肢です。
パソコン・モバイル用品も効果的です。スマホスタンドやモバイルバッテリー、ワイヤレス充電器などは、デジタルネイティブ世代の応募者にとって日常的に使用頻度の高いアイテムです。オンライン面接が増えている現在では、リングライトのような実用的なアイテムも喜ばれます。

企業イメージと一貫性のあるデザイン設計
ノベルティのデザインは、企業のブランドイメージと一貫性を持たせることが重要です。企業のコーポレートカラーを取り入れたり、ロゴを自然な形で配置したりすることで、ブランド認知を高めることができます。
ただし、過度に販促色を強めると受け取る側の心理的な抵抗感につながる場合があります。特に若手人材をターゲットとする場合は、「企業名を覚えてもらう」よりも先に「おしゃれ」「使いたい」と感じてもらう設計が重要です。自然な形でブランドが溶け込んだデザインこそが、結果的に長く記憶に残ります。
ターゲット人材の趣味嗜好に合わせた選択
どんな人材を採用したいのか、ターゲットを明確にすることがノベルティ選びの出発点です。
エンジニア採用であれば、PCクリーナーやケーブルオーガナイザーといったテック系のアイテムが喜ばれます。クリエイティブ職であれば、デザイン性の高いステーショナリーやアートブック風のノートが効果的です。営業職であれば、名刺入れやビジネスバッグに取り付けられるアクセサリーなど、実務で使えるアイテムが適しています。ターゲット人材の日常生活や仕事のシーンを想像し、そこで自然に使われるアイテムを選ぶことで、ノベルティの価値が最大化されます。
採用シーン別のノベルティ活用戦略
会社説明会での効果的な配布方法
会社説明会では、多くの応募者に企業を知ってもらうことが目的です。この場面では、比較的低予算で配布しやすい文具や日用品が適しています。
ただし、単に配るだけでなく、配布方法にも工夫が必要です。例えば、着席してくれた学生向けにノベルティを配布することで、説明会参加学生数を増やす効果が期待できます。また、アンケートに回答するとノベルティをもらえるようにすることで、アンケート回答率を高め、応募者の生の声を収集することができます。合同説明会では、ノベルティの配布方法をガチャガチャ形式にするなど、SNS映えしやすい工夫をすることで、周囲への拡散効果も狙えます。
採用面接での印象づけとフォロー
採用面接は、応募者と企業が深く向き合う重要な場面です。ここでは、説明会よりも質の高いノベルティを配布することで、特別感を演出できます。
面接参加者限定のノベルティとして、ペンケースやブックカバー、デスクメモスタンドといった中予算帯のアイテムを用意することで、「この企業は自分を大切に扱ってくれている」という印象を与えることができます。また、面接後のフォローとして、選考を通過した応募者にノベルティギフトボックスを郵送で送付することで、企業への好感度を高め、内定承諾率の向上につながります。
内定者フォローとエンゲージメント強化
内定者フォローは、内定辞退を防ぎ、入社前のエンゲージメントを高めるための重要な施策です。この段階では、より高品質で特別感のあるノベルティが効果的です。
モバイルバッテリーやワイヤレス充電器、リサイクルレザーカードケースといった高予算帯のアイテムは、内定者に「選ばれた」という実感を与えます。また、自社サービスや製品のトライアルクーポンを提供することで、入社前に企業への理解を深めてもらうこともできます。さらに、会社のロゴ入りTシャツを着用して写真を撮影し、SNSで発信してもらうことで、内定者自身が企業のアンバサダーとなり、周囲への認知拡大にもつながります。

若手人材に響くノベルティデザインの秘訣
サステナビリティと社会性の表現
現在の若手人材、特にZ世代は、企業の社会的責任や環境への配慮を重視する傾向が強まっています。
ノベルティにおいても、サステナビリティを意識した素材選びや製造背景が評価されます。規格外農産物を活用した食品ノベルティ、フードロス削減につながる加工品、簡易包装や紙素材を使ったパッケージなど、ノベルティ自体が社会課題へのアクションになる設計が求められています。重要なのは「SDGs対応」と表記することではなく、実際の仕組みとして持続可能性に寄与しているかどうかです。応募者は、その本質を見ています。
ストーリー性とメッセージの込め方
ノベルティは、企業の価値観を伝えるメディアです。どこの原料を使っているのか、どのような加工をしているのか、なぜこの商品を選んだのか。
そうしたストーリーを添えることで、企業の姿勢そのものが伝わります。例えば、地域の伝統工芸品を活用したノベルティであれば、「地域貢献」という企業の価値観を示すことができます。また、社員が実際に使っているアイテムをノベルティとして配布することで、「この会社で働く人たちのリアルな日常」を感じてもらうこともできます。単なる配布物ではなく、「この会社はこういう考え方をしている」というメッセージを、言葉以上に強く届けることができます。
デジタルとリアルの融合
デジタルネイティブ世代に響くノベルティは、リアルなアイテムとデジタル体験を組み合わせたものです。
ノベルティにQRコードを印刷し、スキャンすると企業の採用サイトや社員インタビュー動画にアクセスできるようにすることで、物理的なアイテムからデジタルコンテンツへの導線を作ることができます。また、デジタルノベルティという新しい形態も注目されています。例えば、謎解きゲームのデジタルコンテンツや、オンラインで使えるクーポン、バーチャル背景画像などは、物理的な配布コストを抑えながら、応募者に新しい体験を提供できます。
食品ノベルティの特別な効果と活用法
五感を使った体験価値の創出
食品ノベルティは、他のノベルティにはない独自の強みを持っています。
食品は誰にとっても身近で、実際に口にすることで五感を使った体験になります。視覚だけでなく、味覚や香りまで含めてブランドを感じてもらえる点は、文具や雑貨では実現できない価値です。また、食品は使われずに引き出しに眠ることがほとんどなく、必ず消費されるという特性もあります。オフィスで同僚と分け合われたり、自宅で家族と一緒に食べられたりすることで、企業名やブランドが二次的に広がっていくケースも少なくありません。
記憶に残る時間差での再接点
食品ノベルティの大きな特徴は、配布された瞬間だけでなく、食べる瞬間にも企業との接点が生まれることです。
会社説明会で配布された食品を、帰宅後や翌日に食べることで、時間差で企業との再接点が生まれます。「あの時もらった〇〇が美味しかった」という形で会話が再開されることも珍しくありません。この時間差での体験は、企業の印象をより深く記憶に刻む効果があります。特に、オリジナルのチロルチョコやじゃがりこといった名入れ食品は、企業名を自然な形で記憶に残すことができます。

雑貨との組み合わせによる相乗効果
食品ノベルティと雑貨ノベルティを組み合わせることで、より強力な印象を作り出すことができます。
雑貨で第一印象をつくり、食品で体験価値を補完するという考え方が主流になりつつあります。例えば、トートバッグに食品ノベルティを入れて配布することで、視覚的なインパクトと味覚的な体験の両方を提供できます。また、エコバッグと環境配慮型の食品を組み合わせることで、企業のサステナビリティへの取り組みを一貫したメッセージとして伝えることができます。この組み合わせによって、ノベルティ全体の完成度が大きく高まります。
採用ノベルティ制作の実務ポイント
予算設定とコストパフォーマンスの最適化
採用ノベルティの予算は、配布するシーンとターゲット人材によって適切に設定する必要があります。
会社説明会では数百円から1,000円程度の低予算グループ、採用面接では1,000円から3,000円程度の中予算グループ、内定者フォローでは3,000円以上の高予算グループというように、段階的に予算を設定することが一般的です。安さだけで選ぶと印象に残らず、逆に高価すぎると配布数が限られます。重要なのはコストと体験価値のバランスです。配布数量を現実的に見積もり、目的に応じて単価設計を行うことが欠かせません。
製造リードタイムと納期管理
特に食品ノベルティには、製造リードタイムやロット、賞味期限といった特有の要素があります。
企画段階から納期を逆算して進めることが重要です。名入れやオリジナルデザインを施す場合は、デザイン確定から製造、納品までに数週間から数ヶ月かかることもあります。採用イベントの日程が決まったら、できるだけ早くノベルティの企画を開始し、余裕を持ったスケジュールを組むことが成功の鍵です。また、食品の場合は賞味期限を考慮し、配布時期から逆算して適切な発注タイミングを見極める必要があります。
配布後の効果測定と改善サイクル
ノベルティは渡した瞬間がゴールではありません。
どのようなシーンで使われたのか、誰と共有されたのか、SNSに投稿される可能性はあったか。配布後の行動まで想定することで、ノベルティは単発の販促物から、継続的なブランド接点へと進化します。配布後にアンケートを実施し、ノベルティの満足度や使用状況を確認することで、次回の改善につなげることができます。また、SNSでの言及や写真投稿を追跡することで、ノベルティの二次的な拡散効果を測定することも可能です。
まとめ:採用ノベルティで築く長期的な関係性
採用ノベルティは、単なる記念品ではありません。企業と応募者との関係性をつくる、小さな入り口です。
会社説明会や採用面接という限られた機会だからこそ、「何を配るか」ではなく、「どんな体験を届けたいか」という視点でノベルティを設計することが重要です。実用性の高いアイテム選び、企業イメージと一貫性のあるデザイン、ターゲット人材の趣味嗜好に合わせた選択、そしてサステナビリティやストーリー性といった要素を重ねることで、ノベルティは単なる販促物から、ブランドを語るメディアへと変わります。
特に食品ノベルティは、五感を使った体験を通じて企業の姿勢を伝えられる数少ない手段です。雑貨との組み合わせ、デジタルとの融合、配布後の効果測定まで含めた総合的な戦略によって、採用ノベルティは企業の採用力を大きく高める武器となります。
採用活動を成功させるためには、応募者の心に残る体験を提供し続けることが不可欠です。ノベルティはその体験を形にする、最も身近で効果的なツールなのです。


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