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BtoBブランディングの実践法|企業価値を高める戦略と施策

BtoBブランディングの実践法|企業価値を高める戦略と施策

目次

BtoBブランディングとは?企業価値を決める戦略的思考

BtoB企業にとって、ブランディングはもはや「あれば良いもの」ではありません。

製品スペックや価格だけでは差別化が難しくなった今、顧客が本当に求めているのは「信頼できるパートナー」です。技術の進化や情報の拡散により、機能や性能での優位性は短期間で失われやすくなりました。その結果、企業としての「信頼性」や「共感」が意思決定の基準になってきています。

BtoBブランディングとは、企業理念を起点に「なぜこの会社を選ぶのか」という理由を設計し、それを言葉・デザイン・行動へ落とし込んでいく活動です。単なる情報発信ではなく、「この分野なら〇〇社がオーソリティだ」と思われる存在になること。それが、受注や採用、パートナーシップなど、あらゆる接点の”選ばれる理由”になります。

かつてのBtoB取引は、スペック比較と営業力で成立していました。しかし今、顧客は情報を自ら調べ、比較し、選択します。その過程で「どの企業の考えに共鳴できるか」「どの企業が信頼できるか」が、意思決定の基準になってきています。


BtoBブランディングが企業にもたらす具体的メリット

ブランディングに成功すると、企業には複数の恩恵が生まれます。

BtoBブランディングによる企業価値向上のイメージ

信頼構築による問い合わせ増加

Webサイト上で信頼を感じてもらうことで、問い合わせ獲得につながります。また、商談のステップに進んだ際にも初回商談時から、あらかじめ自社のサービスを理解してもらえているため、深い話に進みやすくなります。

価格競争からの脱却

「ブランド価値」を感じてもらえていれば、価格に捉われず選ばれるようになり、適切な価格で受注でき、安易な値引きなどの対応も必要なくなります。信頼感といえば、企業規模が大きな要素になりがちですが、中小規模であってもBtoBブランディングに成功すれば、リード獲得・売上増、採用強化にもつなげることができます。

採用力の強化と人材定着

企業のミッション・ビジョン、社員の活躍・働き方に共感してもらえれば、人材が集まりやすくなります。人材不足が深刻化するなかで、「働く意味」や「企業としての志」を明確に打ち出している企業には、優秀な人材が集まりやすくなります。これは社員定着率やモチベーションにも直結し、ひいては顧客への提供価値にも影響します。


BtoBブランディングの実践ステップ|6つの戦略的プロセス

では、具体的にどのようにBtoBブランディングを進めていけば良いのでしょうか。

ここでは、実践的なBtoBブランディングを推進するための6つのステップを解説していきます。

BtoBブランディング実践ステップの戦略的プロセス

ステップ1:現状分析と目標設定

BtoBブランディングを考える前に、まずは自社の状況を把握することが必要です。

自社内の状況として、自社の強み・弱み、技術、企業文化、従業員の認識などを洗い出します。顧客・競合などの外部状況として、顧客はなぜ自社を選んでいるのか、競合他社はどのようなブランドイメージを構築しているのかなどを分析します。

これらの分析をもとに、「BtoBブランディングによって何を達成したいのか?」という具体的な目標を整理していきます。目標はより具体的になるほど、その後の施策との整合性も取りやすく、より成果につながりやすくなります。

例えば、「競合との差別化を図り、新規顧客獲得コストを30%削減する」「自社のミッション・ビジョンに共感してもらい採用の応募数を30%増加させる」といった具体的な目標設定が重要です。

ステップ2:ブランドアイデンティティの策定

ブランドアイデンティティとは、「私たちは何者で、どこを目指しているのか」という企業の根幹を成す考え方です。

「ミッション」「ビジョン」「バリュー」を明確にしていきましょう。ミッションは企業の「存在意義」、つまり「社会にどのような価値を提供するために存在するのか?」を示します。ビジョンは企業の「近い将来像」、つまり「ミッションを達成した先にどのような世界を実現したいのか?」を描きます。バリューは企業の「行動規範」、つまり「ミッション・ビジョンを達成するために、従業員が何を大切に行動すべきか?」を定義します。

これらは単なるスローガンではなく、企業の意思決定の軸となり、従業員の一体感を醸成する「羅針盤」とするべきものです。

ステップ3:ターゲットの特定とペルソナ設定

どんな企業の、誰に、どのようなメッセージを届けるか、を明確にするために、ターゲットとなる企業を具体的に設定します。

まずは企業ペルソナが重要ですが、その先の担当者ペルソナまで設定していくと、より明確なメッセージを作成することができます。企業ペルソナとして、業界・業態、企業規模、抱えている課題などを具体的に定義します。担当者ペルソナとして、部門、役職、解決したい課題などを詳細に設定します。

次のブランドメッセージを考えていくためには、企業・担当者の課題感を明確にしていくことが重要です。その解決策を提示していくことが選ばれるための鍵となります。

ステップ4:ソートリーダーシップの確立

ソートリーダーシップとは、単に「知識を持っている人(企業)」ではなく、「業界の未来を語り、導く存在」を指します。

製品や技術の優位性ではなく、「どんな思想で、どんな社会を実現しようとしているのか」を発信し、市場や顧客の思考に”方向性”を与えること。それが、BtoB企業におけるソートリーダーシップの本質です。

一般的な情報発信やコンテンツマーケティングは、「知ってもらう」ことが目的です。一方、ソートリーダーシップは、「考え方の基準を提供する」ことを目的としています。「当社の技術はこうです」ではなく、「この技術によって、業界はどのように変わるのか」「顧客や社会にどんな新しい価値が生まれるのか」といった”思想”を提示することで、企業は専門性と信念の両面から信頼を獲得します。

ステップ5:タッチポイント設計とノベルティ活用

ブランド体験を届けるためには、顧客との接点を戦略的に設計する必要があります。

展示会や周年イベント、営業活動など、企業と人が接点を持つ場面において、ノベルティは最初の印象を決定づける存在になります。近年、ノベルティに求められる役割は大きく変化しています。かつては「安く大量に配れるもの」が主流でしたが、現在は「受け取った人の体験価値」を重視する傾向が強まっています。

特に注目されているのが食品ノベルティです。食品は誰にとっても身近で、実際に口にすることで五感を使った体験になります。視覚だけでなく、味覚や香りまで含めてブランドを感じてもらえる点は、他のノベルティにはない大きな特徴です。また、食品は使われずに引き出しに眠ることがほとんどなく、必ず消費されるという特性もあります。

名入れは社名やロゴをパッケージに反映させることで、その企業のためだけに作られたものになります。ただし、名入れは目立てば良いというものではありません。過度に販促色を強めると、受け取る側の心理的な抵抗感につながる場合があります。特に食品の場合は、「企業名を覚えてもらう」よりも先に「美味しそう」「ちょっと嬉しい」と感じてもらう設計が重要です。

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ステップ6:効果測定と継続的改善

ブランディング施策の効果を測定し、継続的に改善していくことが重要です。

定量的な指標として、問い合わせ数の増加、商談成約率の向上、採用応募数の増加などを測定します。定性的な指標として、顧客アンケートやインタビューを通じて、ブランド認知度や信頼度の変化を把握します。

これらのデータをもとに、施策の効果を検証し、必要に応じて戦略を調整していくことで、持続的なブランド価値の向上を実現できます。


成功事例から学ぶBtoBブランディングの実践知

理論だけでなく、実際の成功事例から学ぶことも重要です。

BtoBブランディング成功事例の実践的アプローチ

事例1:パーパスを軸にしたブランド体験の再構築

工作機械メーカーとして長年にわたり高い技術力を誇ってきたオークマ株式会社は、近年「ブランドとしてのオークマ」を意識した発信や体験設計にシフトしています。

2023年に発表された中期経営計画「Get Ready 2025」では、「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」というパーパスを明文化しました。この理念は単なる社内スローガンにとどまらず、技術開発と顧客体験を支える拠点の整備にも反映されました。これらの施設は、同社の技術的な強みだけでなく、顧客と共に課題を解決する姿勢そのものを体現する場所として機能しています。

このオークマの取り組みは、製品では差別化しにくい業界において、「共創するパートナー」というブランドイメージを育て、結果として選ばれる理由を顧客に提供する好例といえるでしょう。

事例2:顧客体験の再定義によるブランドの再構築

製造業向け部品を提供するミスミが一貫して掲げているのは、「時間価値」の最大化という思想です。

ものづくりの現場において、設計から製造、調達にいたる各工程のムダを無くし、価値ある時間へと転換することを、提供価値の中核に据えています。同社は、調達の効率化を支えるデジタルサービス「meviy(メビー)」を展開し、BtoBの調達業務に革新をもたらしています。

meviyでは、3D CADデータをアップロードするだけで即座に見積もりが提示され、そのまま発注・製造までが自動で進行します。このプロセスの自動化により、従来数日〜数週間を要していた調達のリードタイムを大幅に短縮し、設計者や調達担当者が本来注力すべき業務に集中できるようになりました。

出典 フォレビスタ「BtoB企業でもブランディングは必要か? 成功事例と実践法」より作成

ノベルティのお役立ち資料はこちら


SDGsと環境配慮を組み込んだブランド設計

現在、多くの企業がSDGsや環境配慮を経営の軸に据えています。

その流れはノベルティにも及び、素材や製造背景まで含めて検討されるケースが増えています。規格外農産物を活用した食品、フードロス削減につながる加工品、簡易包装や紙素材を使ったパッケージなど、ノベルティ自体が社会課題へのアクションになる設計が求められています。

重要なのは「SDGs対応」と表記することではなく、実際の仕組みとして持続可能性に寄与しているかどうかです。来場者や取引先は、その本質を見ています。

食品ノベルティは、こうした背景を自然に伝えられる点でも優れています。どこの原料を使っているのか、どのような加工をしているのか、なぜこの商品を選んだのか。そうしたストーリーを添えることで、企業の価値観そのものが伝わります。単なる配布物ではなく、「この会社はこういう考え方をしている」というメッセージを、言葉以上に強く届けることができます。


インナーブランディングと社内外コミュニケーション

ノベルティ制作で見落とされがちなのが、社内外のコミュニケーションツールとしての側面です。

インナーブランディングによる組織文化の醸成

社外向けだけでなく、社員向けの記念品やインナーブランディングとして活用されるケースも増えています。周年記念の食品ノベルティを社員に配布することで、自社の歩みを実感できたり、家族に会社の話をするきっかけになったりすることもあります。ノベルティは外向きの広告であると同時に、内向きの共通体験でもあるのです。

また、近年は「配布後」を意識した設計も重要視されています。ノベルティは渡した瞬間がゴールではありません。どのようなシーンで食べられるのか、誰と共有されるのか、SNSに投稿される可能性はあるか。その後の行動まで想定することで、ノベルティは単発の販促物から、継続的なブランド接点へと進化します。


実務面での注意点|コストと体験価値のバランス

実務面では、食品ノベルティには製造リードタイムやロット、賞味期限、物流といった特有の要素があります。

企画段階から納期逆算で進めること、配布数量を現実的に見積もること、目的に応じて単価設計を行うことが欠かせません。安さだけで選ぶと印象に残らず、逆に高価すぎると配布数が限られます。重要なのはコストと体験価値のバランスです。

雑貨ノベルティにも独自の役割があります。トートバッグやステーショナリー、エコ雑貨などは視覚的な存在感があり、日常の中で繰り返し使われることでブランド露出が継続します。最近では食品と雑貨を組み合わせたノベルティ設計も増えており、雑貨で第一印象をつくり、食品で体験価値を補完するという考え方が主流になりつつあります。

ノベルティのお役立ち資料はこちら


まとめ|BtoBブランディングで企業価値を持続的に高める

BtoBブランディングは、単なる販促活動ではありません。

企業の姿勢や価値観を”体験”として届ける重要なコミュニケーション手段であり、信頼構築の基盤となるものです。ブランドアイデンティティの明確化、ターゲットペルソナの設定、ソートリーダーシップの確立、そしてノベルティを含むタッチポイントの戦略的設計。これらを一貫性を持って実践することで、企業は「選ばれる理由」を創出できます。

特に食品ノベルティは、五感を通じて企業の価値観を伝えられる数少ない手段です。そこに名入れやストーリー、SDGsの視点、雑貨との組み合わせといった要素を重ねることで、ノベルティは単なる販促物から、ブランドを語るメディアへと変わります。

展示会や周年イベントという限られた機会だからこそ、「何を配るか」ではなく、「どんな体験を届けたいか」という視点でノベルティを設計することが、これからの企業コミュニケーションにおいてますます重要になっています。

BtoBブランディングは一朝一夕に完成するものではありません。しかし、明確な戦略と継続的な実践によって、企業価値を持続的に高めることができます。今こそ、自社のブランド構築に本気で取り組むべき時です。

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